ピアノが上手だったおばあちゃん
こんにちは、HSP介護士のtomiです
最近めっきり寒くなってきましたね
この季節になると
以前、高齢者施設にいた
認知症の92歳のおばあちゃんのことを
思い出します
とても明るく華やかな雰囲気の彼女は
午後のレクの時間になると
よくピアノを弾いてくれました
披露してくれた曲はほぼ童謡で
他の利用者さんも知っていたので
いつもみんなで歌っていました
楽譜なんかはないんです
彼女の頭の中には何十曲も記憶されていて
指の動きも体に刻まれているんですよね
ピアノを弾けない私は
『すごいねえ~もっと弾いて~もっと弾いて~』
って何回もリクエストして
『あなたしつこいわね』なんて
よく怒られました
そんな彼女ですが
他のことはなかなか記憶にとどめておけなくて
季節や日付、時間もわからない
やったこともすぐ忘れるなど
身の回りのこと全てに介助が必要で
家族さんやお知り合いのことも
あまりわからないようでした
結構大変な状態でしたが
ご家族は
最期まで家で看るつもりだったそうです
でも、
自分のことを覚えてくれていない
一生懸命介護しても心無い言葉をかけられる
昼夜問わず徘徊、エンドレスで同じ会話
そんな毎日に心が折れて
悩みに悩んだ末
施設へ入所との運びになったようでした
施設側としては、好きなピアノをたくさん弾いてもらって
少しでも穏やかに毎日過ごせるように
援助させてもらいました
毎日ピアノを弾くことで
笑顔が増えたし、活動量も増えて
夜もよく眠るようになり
面会に来られたご家族も喜んでおられました
在宅か施設か
ご家族を施設に預けるかどうか迷っている方
もしくはそんなお知り合いがいるという方へ
伝えたいことがあります
私は、ご家族を施設に預けることを
悪いことだとは思いません
何も知らない人は
なんやかんやいってくるかもしれませんが
要介護状態の人をお世話するのは本当に大変なこと
24時間365日気が休まる時はないはずです
昔は家で見るのが当たり前でしたが
今は違います
お仕事をされている方、遠方に住んでいる方
みんなそれぞれの生活があり人生があります
親御さんの介護で子供さんの人生が潰れてしまった
なんてことがあってはいけない
誰しもが幸せになれる
win-winの関係が理想だと私は思います
とはいっても現実はなかなか厳しいですが・・
お互い笑顔で
ご家族が要介護状態になったら
まずは、信頼の置けるケアマネージャーさんを探してみてください
相談していく中で最良の策が見つかるかもしれません
納得がいかないようならケアマネさんを変えても大丈夫です
私自身も、遠方に住む高齢の両親がおり
人ごとではないのですが
介護士だからといっても
自分の親の介護となると
色んな感情が入り混じり難しいですね
頼れるところは頼ろうと私は思ってるけど
親が「家族に看てもらいたい」と言えば
叶えてあげたいなあとも思うし
多分どんな選択をしても後悔は残るんでしょう
正解はないんです
ただ、介護する側・される側
お互いに
少しでも笑顔が多いといいなと思います